評価制度が現場を歪ませるとき

医療や介護の現場では、
「評価制度」を導入している事業所も増えてきました。

頑張った人が評価される。
努力が報われる。

本来であれば、
とても大切な仕組みです。

しかし現場では、
こんな声を聞くことがあります。

「評価制度があるのに、
なんだか現場の雰囲気が悪くなった」

一体、なぜなのでしょうか。


数字だけが評価されるとき

評価制度を作るとき、
多くの組織は「わかりやすさ」を重視します。

例えば

・稼働率
・件数
・売上
・新規利用者数

こうした数字は、
評価しやすい指標です。

しかし医療や介護の仕事には、
数字では測れない仕事がたくさんあります。

利用者さんへの配慮
家族への説明
スタッフ同士のフォロー

こうした仕事は、
現場を支えるとても大切な仕事です。

それでも数字で評価されない場合、
どうなるでしょうか。


数字を追う現場になる

評価が数字中心になると、
現場の行動は変わります。

数字を上げることが
最優先になる。

すると

「利用者さんのため」より
「評価のため」

という判断が
増えていくことがあります。

もちろん誰も
悪意があるわけではありません。

ただ

評価される行動が変われば、
現場の行動も変わる。

それが
評価制度の持つ力です。


見えない仕事が消えていく

評価制度が数字中心になると、
もう一つの変化が起きます。

それは

見えない仕事が減ることです。

誰かのフォロー
チームの空気づくり
新人のサポート

こうした仕事は、
現場にとってとても重要です。

しかし評価されない場合、
どうしても優先順位は下がります。

結果として

チームワークが弱くなる

という現象が起きることがあります。


評価制度は悪いものではない

ここで誤解してほしくないのは、
評価制度そのものが悪いわけではない
ということです。

むしろ、
組織には必要な仕組みです。

ただ大切なのは

何を評価するか

です。

評価制度は、
その組織が大切にしている価値観を
強く反映します。

だからこそ

数字だけではなく、
現場のリアルを含めた評価が必要になります。


最後に

評価制度は、
組織を良くするための仕組みです。

しかし設計を間違えると、
現場の行動を歪ませてしまうこともあります。

だからこそ

「評価制度を作ること」よりも

現場のリアルを理解すること

が先に必要なのではないかと
私は思っています。

現場の声を聞き、
本当に大切な価値を言語化する。

そこから初めて、
意味のある評価制度が生まれるのではないでしょうか。


株式会社視える化は、理学療法士2名で立ち上げた、医療・介護・福祉業界に特化したブランディング支援を行っています。 これまで1000人以上の声を現場で聴いてきた中で見えてきたのは、「思ってたんと違う」という言葉の裏にある構造的課題です。 理学療法士をはじめとする医療従事者の離職背景には、採用のミスマッチや、理念やビジョンが十分に伝わらないままの入職があります。結果として、人材不足や離職率の上昇、膨らみ続ける採用コストという悪循環が起きています。 私たちは、企業のリアルを可視化し、現場のリアルを丁寧に言語化することで、理念や価値観の一致を生む採用広報戦略を設計します。 「想いを視えるカタチに」することこそが、医療・介護・福祉業界における持続可能な組織づくりの第一歩だと考えています。