一人採用するのに、本当はいくらかかっているのか

この記事は、医療・介護・福祉業界に特化したSNS採用・ブランディング支援を行う株式会社視える化の考え方をまとめたものです。


採用コスト=求人広告費だと思っていませんか?

採用について相談を受けていると、

こんな話を聞くことがあります。

「今回の採用費は10万円くらいです。」

「求人媒体にこれだけ使いました。」

「紹介会社の手数料が高くて困っています。」

もちろん、

求人広告費や人材紹介料は分かりやすい採用コストです。

しかし、

本当にそれだけでしょうか。

一人を採用するまでには、

表から見えないコストがたくさん発生しています。

そして、

その見えないコストまで含めて考えないと、

本当の採用コストは見えてきません。


採用には「見えない時間」がかかっている

例えば、

一人の応募者を採用するまでを考えてみます。

求人票を作る。

求人媒体を更新する。

応募者へ連絡する。

見学の日程を調整する。

施設を案内する。

面接する。

社内で検討する。

条件を説明する。

入職準備をする。

これらを、

誰がやっているでしょうか。

管理者。

経営者。

事務スタッフ。

現場スタッフ。

多くの場合、

普段の業務と並行して対応しています。

つまり、

請求書には出てこないだけで、

採用のために使っている人の時間も、立派なコストなのです。


面接1時間だけが面接コストではない

例えば、

面接時間が1時間だったとします。

しかし実際には、

その前後にも時間がかかっています。

応募書類を確認する。

質問内容を考える。

スケジュールを調整する。

面接後に社内で相談する。

合否を連絡する。

場合によっては、

二次面接や見学も行う。

表面上は

「面接1時間」

でも、

会社側が使っている時間は、

その何倍にもなっていることがあります。

特に管理者や経営者が採用対応をしている場合、

その時間にできたはずの

現場業務。

営業。

地域連携。

マネジメント。

経営判断。

そうした機会まで含めると、

採用に使っているコストは想像以上に大きくなります。


入職した後にもコストは続く

採用できた。

だから採用活動は終了。

とはなりません。

次に始まるのは、

教育です。

オリエンテーション。

同行訪問。

業務説明。

記録方法の指導。

利用者さんの引き継ぎ。

社内ルールの共有。

新人スタッフが一人前になるまで、

先輩スタッフも時間を使います。

つまり、

採用には

「獲得するコスト」と「戦力化するコスト」

の両方があるのです。


本当に怖いのは「採用してすぐ辞めること」

さらに大きな問題があります。

それが、

早期離職です。

求人広告費を使う。

面接する。

採用する。

教育する。

ようやく現場に慣れてきた。

そのタイミングで、

「思っていた職場と違いました。」

と辞めてしまう。

すると、

何が起こるでしょうか。

また求人を出す。

また応募対応をする。

また面接する。

また教育する。

採用に使ったコストが、

もう一度最初から発生します。

だから、

本当の意味で採用コストを下げるには、

安く採用することだけではなく、採用した人が定着することまで考える必要があります。


「採用単価」だけでは見えないものがある

例えば、

A社は広告費5万円で一人採用した。

B社は広告費20万円で一人採用した。

この数字だけを見ると、

A社の方が採用効率が良く見えます。

しかし、

A社で採用した人が3か月で辞めてしまい、

B社で採用した人が3年間働いてくれたらどうでしょうか。

本当に安かったのは、

どちらでしょうか。

採用費用だけでは、

採用の良し悪しは判断できません。

大切なのは、

採用後まで含めて考えることです。


採用コストは「請求書に載るお金」だけではない

採用コストを考える時は、

求人広告費や紹介料だけではなく、

例えば、

・求人媒体費

・人材紹介料

・採用サイト制作費

・見学対応時間

・面接時間

・管理者や経営者の採用対応時間

・入職準備

・新人教育

・同行期間

・既存スタッフのフォロー時間

・早期離職後の再採用

まで含めて考える必要があります。

もちろん、

すべてを正確に金額化することは難しいかもしれません。

しかし、

少なくとも

「求人広告費だけが採用コストではない」

という認識を持つことは非常に重要です。


採用広報は「見えないコスト」を減らすためにもある

では、

どうすれば採用コストを減らせるのでしょうか。

単純に広告費を削ればいいわけではありません。

大切なのは、

応募前の段階で、

求職者に会社を理解してもらうことです。

どんな人が働いているのか。

どんな価値観の会社なのか。

どんな教育体制なのか。

どんな人に合う職場なのか。

どんな人には合わないのか。

それをSNSやホームページ、

Googleマップ、

スタッフ紹介などで伝えておく。

そうすることで、

会社との価値観が合う人からの応募が増えていきます。


応募の「数」ではなく「精度」を上げる

たくさん応募が来ても、

ほとんどの人が会社に合わなければ、

面接対応の時間は増えます。

一方で、

応募数は少なくても、

会社の理念や価値観を理解した人が応募してくれれば、

面接の精度は上がります。

入職後のギャップも小さくなります。

早期離職も減らせる可能性があります。

つまり、

採用コストを下げるためには、

応募数だけを増やすのではなく、

自社に合う人からの応募を増やすことが重要なのです。


最後に

一人採用するために、

本当はいくらかかっているのか。

求人広告費。

人材紹介料。

それだけではありません。

管理者の時間。

面接の時間。

現場スタッフの教育時間。

入職後のフォロー。

そして、

もし早期離職が起これば、

もう一度採用をやり直すコスト。

そこまで含めて考えて、

初めて本当の採用コストが見えてきます。

だから私たちは、

**採用コストを下げるとは、求人広告費を安くすることではなく、「合う人と出会い、長く働いてもらえる確率を高めること」**だと考えています。

採用にかかるお金だけを見るのではなく、

採用に使っている時間。

人。

教育。

そして定着まで含めて考える。

その視点を持つことが、

持続可能な採用活動への第一歩ではないでしょうか。


株式会社視える化は、理学療法士2名で立ち上げた、医療・介護・福祉業界に特化したブランディング支援を行っています。

これまで2000人以上の声を現場で聴いてきた中で見えてきたのは、「思ってたんと違う」という言葉の裏にある構造的課題です。

理学療法士をはじめとする医療従事者の離職背景には、採用のミスマッチや、理念やビジョンが十分に伝わらないままの入職があります。結果として、人材不足や離職率の上昇、膨らみ続ける採用コストという悪循環が起きています。

私たちは、企業のリアルを可視化し、現場のリアルを丁寧に言語化することで、理念や価値観の一致を生む採用広報戦略を設計します。

「想いを視えるカタチに」することこそが、医療・介護・福祉業界における持続可能な組織づくりの第一歩だと考えています。