早期離職が一番高い採用コストになる理由

この記事は、医療・介護・福祉業界に特化したSNS採用・ブランディング支援を行う株式会社視える化の考え方をまとめたものです。


採用できたら「成功」だと思っていませんか?

求人を出す。

応募が来る。

面接する。

そして、

無事に一人採用できた。

ここまで来ると、

「今回の採用は成功した。」

と思いたくなります。

しかし、

採用の本当の結果が分かるのは、

入職した瞬間ではありません。

その人が、

会社を理解し、

現場に馴染み、

力を発揮し、

長く働いてくれて初めて、

採用は成功したと言えるのではないでしょうか。

だからこそ、

採用コストを考えるうえで見落としてはいけないのが、

**「早期離職」**です。


一人採用するまでに、すでに多くのコストがかかっている

一人を採用するまでには、

さまざまなコストが発生します。

求人広告。

人材紹介。

求人票の作成。

応募者への連絡。

見学対応。

面接。

条件調整。

入職準備。

さらに、

管理者や経営者、

現場スタッフの時間も使っています。

つまり、

入職初日の時点ですでに、

会社はその人の採用へ、

お金と時間の両方を投資しているのです。


入職後は「教育コスト」が始まる

そして、

採用した後には、

新たなコストが発生します。

新人研修。

オリエンテーション。

業務説明。

記録方法の指導。

利用者さんの引き継ぎ。

同行訪問。

先輩スタッフによるフォロー。

医療・介護・福祉の現場では、

入職したその日から、

一人ですべての業務を任せられるわけではありません。

新人が安心して働けるようになるまで、

既存スタッフが時間を使って支えます。

つまり、

入職後にも、

会社は継続して投資しているのです。


その状態で3か月後に辞めたらどうなるのか

例えば、

採用したスタッフが、

3か月後に退職したとします。

すると、

それまでに使った

求人広告費。

採用対応の時間。

面接時間。

入職準備。

教育時間。

同行時間。

フォロー時間。

これらの多くを、

十分に回収できないまま、

再び採用活動を始めることになります。

また求人を出す。

また応募対応をする。

また面接する。

また教育する。

つまり、

採用コストが二重に発生するのです。


早期離職は、現場にもコストを残す

早期離職による影響は、

お金だけではありません。

「また辞めたのか。」

「また新人教育をするのか。」

「せっかく教えたのに。」

現場スタッフにも、

少しずつ疲労が蓄積します。

新人が入る。

教える。

辞める。

また新人が入る。

この状態が繰り返されれば、

既存スタッフへの負担も大きくなります。

そして場合によっては、

既存スタッフまで

「この状態が続くなら自分も…」

と考え始める可能性があります。

一人の早期離職が、

次の離職につながってしまう。

これこそ、

早期離職の本当に怖いところです。


「採用単価が安い」だけでは成功とは言えない

例えば、

A社は一人10万円で採用できた。

B社は一人30万円かかった。

数字だけを見ると、

A社の方が採用に成功しているように見えます。

しかし、

A社のスタッフが3か月で退職し、

B社のスタッフが3年間働いたとしたら。

本当に採用コストが低かったのは、

どちらでしょうか。

採用単価だけでは、

本当の採用効率は分かりません。

大切なのは、

採用した人がどれだけ定着し、活躍してくれたかまで見ることです。


なぜ早期離職は起きるのか

もちろん、

早期離職の理由は一つではありません。

家庭環境。

体調。

仕事内容。

人間関係。

働き方。

さまざまな事情があります。

すべてを採用活動だけで防ぐことはできません。

しかし、

採用前の

「思っていた職場」

と、

入職後の

「実際の職場」

のギャップが原因なら、

改善できる余地があります。


「思ってたんと違う」は入職前から始まっている

求人票には、

良い部分が並びます。

「アットホーム。」

「未経験歓迎。」

「働きやすい職場。」

しかし、

実際の仕事内容。

職場の忙しさ。

教育の考え方。

管理者の人柄。

スタッフ同士の距離感。

会社が大切にしている価値観。

こうした情報が十分に伝わらないまま入職すると、

求職者の中で、

理想の職場像が作られてしまいます。

そして入職後、

現実との違いに気づいた時、

「思ってたんと違う。」

が生まれます。


採用広報は「入職後のギャップ」を減らすためにもある

だからこそ、

採用広報で伝えるべきなのは、

良い部分だけではありません。

実際の一日の流れ。

新人が苦労しやすいこと。

教育体制。

管理者の考え方。

会社が求める人物像。

どんな人に合う会社なのか。

場合によっては、

どんな人には合わないのか。

ここまで伝えることで、

求職者自身が、

応募前に

「自分に合う会社なのか。」

を考えられるようになります。


応募数が減っても、採用は良くなることがある

現場のリアルを発信すると、

「それを見たら応募が減るのでは?」

と思うかもしれません。

その可能性はあります。

しかし、

自社に合わない人からの応募が減り、

価値観が合う人からの応募が残ったのであれば、

本当に悪いことでしょうか。

採用の目的は、

応募数を最大化することではありません。

長く一緒に働ける人と出会うことです。

応募数が10件から5件になっても、

その5人の方が会社との相性が良ければ、

結果として採用コストは下がる可能性があります。


採用コストを下げるなら、「入口」だけを見ない

採用コストというと、

どうしても

求人広告費。

紹介料。

採用単価。

に目が向きます。

しかし、

本当に見るべきなのは、

その先です。

採用した人が、

3か月後にいるのか。

半年後にいるのか。

一年後にいるのか。

そして、

会社の中で活躍できているのか。

採用コストを考えるなら、

「いくらで採ったか」だけではなく、「採った人がどれだけ定着したか」まで見る必要があります。


最後に

早期離職が起きると、

求人広告費だけが無駄になるわけではありません。

採用に使った時間。

面接。

見学。

教育。

同行。

現場スタッフのフォロー。

そして、

再び採用を始めるコスト。

多くのものが、

もう一度必要になります。

だから私たちは、

採用コストを下げたいのであれば、「安く採ること」よりも「採った人が長く働ける採用」を作ることが重要だと考えています。

応募数を増やすことだけではなく、

入職前から会社のリアルを伝え、

求職者と会社の認識を合わせる。

「思ってたんと違う」を、

できる限り採用前に減らしておく。

それが、

早期離職を減らし、

結果として採用コストを下げる、

持続可能な採用につながるのではないでしょうか。


株式会社視える化は、理学療法士2名で立ち上げた、医療・介護・福祉業界に特化したブランディング支援を行っています。

これまで2000人以上の声を現場で聴いてきた中で見えてきたのは、「思ってたんと違う」という言葉の裏にある構造的課題です。

理学療法士をはじめとする医療従事者の離職背景には、採用のミスマッチや、理念やビジョンが十分に伝わらないままの入職があります。結果として、人材不足や離職率の上昇、膨らみ続ける採用コストという悪循環が起きています。

私たちは、企業のリアルを可視化し、現場のリアルを丁寧に言語化することで、理念や価値観の一致を生む採用広報戦略を設計します。

「想いを視えるカタチに」することこそが、医療・介護・福祉業界における持続可能な組織づくりの第一歩だと考えています。