応募数を増やすほど、採用コストが高くなることもある
この記事は、医療・介護・福祉業界に特化したSNS採用・ブランディング支援を行う株式会社視える化の考え方をまとめたものです。
応募数が多ければ、採用はうまくいくのでしょうか
採用活動では、
「まず応募数を増やしましょう。」
と言われることがあります。
求人広告を強くする。
媒体を増やす。
スカウトを送る。
SNSで募集を出す。
もちろん、
応募がなければ採用は始まりません。
しかし、
応募数が増えれば増えるほど、
採用が良くなるとは限りません。
場合によっては、
応募数を増やしたことで、逆に採用コストが高くなることもあります。
応募が増えると、対応する時間も増える
一人応募が来れば、
応募書類を確認する。
連絡する。
日程を調整する。
見学対応をする。
面接する。
合否を検討する。
結果を連絡する。
こうした対応が発生します。
10人応募が来れば、
単純にその対応も増えていきます。
問題は、
その10人がすべて
自社に合う人とは限らないことです。
「応募10件」でも、採用につながらなければコストになる
例えば、
10人応募が来たとします。
しかし、
勤務地が合わない。
働き方が合わない。
理念に共感できない。
経験や希望条件が違う。
会社が求める人物像と合わない。
結果、
10人面接して、
誰も採用できなかった。
この場合、
応募数だけを見ると成功しているように見えます。
しかし会社側では、
10人分の
応募対応。
面接。
見学。
社内検討。
連絡。
が発生しています。
つまり、
応募は増えたのに、採用コストだけが増えている
という状態です。
医療・介護・福祉では、面接の負担も小さくない
医療・介護・福祉事業所では、
採用担当専任者がいないケースも多くあります。
管理者が面接する。
経営者が見学対応する。
現場スタッフが質問に答える。
普段の業務と並行しながら、
採用対応をしています。
だから、
合わない応募が大量に増えることは、
現場の負担にも直結します。
「応募が増えて良かった。」
ではなく、
「その応募が本当に採用につながる応募だったのか」
まで見る必要があります。
大切なのは「応募数」ではなく「応募の精度」
採用活動で本当に見るべきなのは、
応募数だけではありません。
どれだけ自社を理解している人が応募しているか。
どれだけ価値観が合う人が応募しているか。
どれだけ働き方を理解した上で応募しているか。
つまり、
応募の精度です。
例えば、
20件応募が来て1人採用する会社と、
5件応募が来て2人採用する会社。
採用活動として効率が良いのは、
どちらでしょうか。
必ずしも、
応募数が多い方ではありません。
なぜ「合わない応募」が増えるのか
理由の一つは、
求人票だけでは会社のことが十分に伝わらないからです。
「未経験歓迎。」
「アットホーム。」
「働きやすい。」
「研修充実。」
これだけでは、
求職者は
自分に合う会社なのか判断できません。
そのため、
「とりあえず応募してみよう。」
という応募が増えます。
会社側も、
面接してみないと分からない。
求職者側も、
面接してみないと分からない。
その結果、
面接の数だけが増えてしまいます。
応募前に「合う・合わない」が分かる状態を作る
だからこそ、
採用広報では、
応募を増やすことだけを考えないことが重要です。
例えば、
どんな人が働いているのか。
どんな価値観を大切にしているのか。
どんな人が活躍しているのか。
仕事で大変なことは何か。
教育体制はどうなっているのか。
会社として求めている人物像は何か。
こうした情報を事前に伝えておけば、
求職者自身が
「自分に合いそう。」
「自分には合わないかもしれない。」
と判断できます。
「応募を減らす情報」も、採用には必要
採用広報というと、
応募を増やす情報ばかりを発信したくなります。
しかし、
時には
応募を減らす情報も必要です。
例えば、
「変化が多い環境です。」
「自分で考えて動くことを大切にしています。」
「訪問件数はこのくらいです。」
「最初は覚えることが多いです。」
こうした情報を見て、
「自分には合わない。」
と思う人もいるでしょう。
でも、
それは採用の失敗ではありません。
むしろ、
入職後のミスマッチを防げたという意味では、
採用の成功です。
SNSは「応募者をふるいにかける場所」でもある
少し言い方は強いですが、
SNSやホームページには、
応募者を集める以外の役割もあります。
それは、
会社の価値観を伝え、
求職者自身に
「ここは自分に合うのか。」
を考えてもらうことです。
スタッフの考え方。
管理者の発信。
実際の働き方。
利用者さんとの関わり。
職場の日常。
それらを見た上で、
「それでも働きたい。」
と思ってくれる人が応募する。
そうなれば、
応募数は少なくても、
採用の精度は高くなります。
応募数より「面接に会いたい人が来るか」
採用担当者にとって、
一番ありがたい状態は、
応募通知が大量に来ることではありません。
「この人に会ってみたい。」
と思える応募が来ることです。
求職者側も、
「ここで働きたい。」
という状態で面接に来る。
その状態を作れれば、
面接は
会社説明の時間ではなく、
お互いの価値観を確認する時間になります。
採用に使う時間の質も、
大きく変わります。
最後に
応募数は、
分かりやすい数字です。
10件。
20件。
100件。
数字が増えると、
採用がうまくいっているように感じます。
しかし、
その応募の多くが自社に合わなければ、
面接時間。
見学対応。
管理者工数。
連絡対応。
すべてが増えていきます。
だから私たちは、
**採用で本当に増やすべきなのは「応募数」ではなく、「自社に合う人からの応募」**だと考えています。
たくさん集めることより、
事前に会社のリアルを伝えること。
価値観を伝えること。
働き方を伝えること。
そして、
求職者自身に
「ここで働きたい。」
と判断してもらうこと。
応募の量から、
応募の精度へ。
その視点を持つことが、
採用コストを抑えながら、
長く働ける仲間と出会うために必要なのではないでしょうか。
株式会社視える化は、理学療法士2名で立ち上げた、医療・介護・福祉業界に特化したブランディング支援を行っています。
これまで2000人以上の声を現場で聴いてきた中で見えてきたのは、「思ってたんと違う」という言葉の裏にある構造的課題です。
理学療法士をはじめとする医療従事者の離職背景には、採用のミスマッチや、理念やビジョンが十分に伝わらないままの入職があります。結果として、人材不足や離職率の上昇、膨らみ続ける採用コストという悪循環が起きています。
私たちは、企業のリアルを可視化し、現場のリアルを丁寧に言語化することで、理念や価値観の一致を生む採用広報戦略を設計します。
「想いを視えるカタチに」することこそが、医療・介護・福祉業界における持続可能な組織づくりの第一歩だと考えています。