採用ミスマッチが起きる3つの構造

この記事は、 医療・介護・福祉業界に特化した SNS採用・ブランディング支援を行う 株式会社視える化の考え方をまとめたものです。

「良い人を採ったはず」という誤算

「面接ではあんなに意欲的だったのに」 「立派な経歴があるから、すぐ活躍してくれると思ったのに」

多額の採用コストをかけて、ようやく入職が決まったスタッフが、数ヶ月(時には数日)で現場を去っていく。その度に経営層や人事担当者は頭を抱えます。そして多くの場合、その原因を「本人の適性」や「時代の変化」という言葉で片付けてしまいます。

しかし、採用ミスマッチは偶然起きる事故ではありません。組織が抱える**「3つの歪んだ構造」**によって、必然的に引き起こされているのです。


1. 「装飾された理想」と「隠された現実」の不一致

第一の構造は、情報の非対称性です。 採用を急ぐあまり、求人広告やSNSでは組織の「綺麗な側面(理想の理念、充実した設備、仲の良さ)」ばかりを強調し、現場が直面している「泥臭い現実(人手不足による多忙、古い慣習、業務の煩雑さ)」を隠してしまいます。

入職者は「装飾された理想」を信じて飛び込みますが、初日に「隠された現実」という冷たい水を浴びせられます。この瞬間に生まれた不信感こそが、ミスマッチの最大の火種です。

2. 「スキル評価」に偏り「価値観評価」が不在な選考

第二の構造は、評価軸の欠如です。 医療・介護業界は資格職の集団であるため、どうしても「何ができるか(経験年数、手技、資格)」というスキル面に評価が偏りがちです。

しかし、離職の真の理由は「技術不足」ではなく、「価値観のズレ」であることがほとんどです。「どんな想いでケアをしたいのか」「どんな組織文化を心地よいと感じるのか」という、目に見えない「OSの相性」を確かめる仕組みがないまま、スペックだけでマッチングを行う構造が、離職の連鎖を生んでいます。

3. 入職後の「放置」を前提とした採用設計

第三の構造は、オンボーディング(導入支援)の不在です。 「即戦力」という言葉を隠れ蓑に、入職したスタッフに十分な対話やフォローを行わず、いきなり現場の荒波に放り込んでしまう。 「背中を見て覚えろ」「忙しいのはお互い様」という無言の圧力が、新しいスタッフの「違和感」を相談する機会を奪い、孤独な決断(=退職)へと追い込んでしまいます。


ミスマッチを「視える化」で解消する

私たちは、この3つの構造を打破するために活動しています。

理想だけでなく、現場の苦悩や課題も隠さずに発信する。 スキルだけでなく、働く人の「想い」や「体温」を言語化し、価値観の合う人だけを募る。 入職後も、その想いが組織のOSとズレていないかを対話を通じて確認し続ける。

「飾らない発信」は、一時的に応募数を減らすかもしれません。しかし、それは**「入るべきではない人」を未然に防ぎ、「本当にここで輝ける人」だけをフィルタリングしている**のです。

ミスマッチを個人のせいにせず、組織の構造から書き換える。 「想いを視えるカタチに」することこそが、採用コストを投資に変え、持続可能な組織を作る唯一の近道です。


株式会社視える化は、理学療法士2名で立ち上げた、医療・介護・福祉業界に特化したブランディング支援を行っています。 これまで1000人以上の声を現場で聴いてきた中で見えてきたのは、「思ってたんと違う」という言葉の裏にある構造的課題です。 理学療法士をはじめとする医療従事者の離職背景には、採用のミスマッチや、理念やビジョンが十分に伝わらないままの入職があります。結果として、離職率の上昇や、膨らみ続ける採用コストという悪循環が起きています。 私たちは、企業のリアルを可視化し、現場のリアルを丁寧に言語化することで、理念や価値観の一致を生む採用広報戦略を設計します。 「想いを視えるカタチに」することこそが、持続可能な組織づくりの第一歩だと考えています。